超高速のデータ通信が可能になる5Gサービスが開始され、使える地域も少しずつ増えています。ソフトバンクが運営しているオンライン専用プランである「LINEMO」は5Gに対応しているのでしょうか?実際の対応バンドや5Gエリア、5G対応機種、5G対応スマホの選び方・買い方、そして設定方法についても解説しています。
目次
LINEMOは無料で5Gに対応
LINEMOは追加料金なしで無料で5Gサービスを受けることができます。LINEMOは990円から使える格安のサービスですが、ミニプラン(3GB 990円)とスマホプラン(20GB 2,728円)ともに、5G利用が無料です。
ソフトバンクとの違いは
画像出典:https://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/
LINEMOはソフトバンクの回線をそのまま利用しています。そのため5Gサービスにおいても違いはありません。
格安SIMだから5Gでも速度が落ちるのではないか?エリアが狭いのではないかと心配される方もいると思いますが、そのような心配はありません。
ソフトバンクが5Gでつながる所はLINEMOも5Gでつながり、ソフトバンクの5G非対応エリアはラインモも4G(LTE)でしかつながりません。
※ちなみにソフトバンクはラインモとワイモバイルも合わせて同じエリア、速度、品質です。
5Gを使える条件は?
ラインモは5Gサービスを無料で使うことができますが、実は現在どこでも5Gを使えるわけではありません。
まず5Gエリアはまだまだ狭く、ごく一部の地域しか使えません。都心や地方都市の極中心部などは使えますが、その他の大半の地域は非対応です。
もう一つ、5Gで通信するためには、5G対応端末が必要です。それは使っている電波の種類がLTEと異なるためで、5Gで使っている電波をつかめる端末がないと、エリア内にいても4G通信となってしまいます。
そこでエリアと対応端末について詳しくみていきましょう。
5G対応エリアは
対応エリアはソフトバンクのマップで確認できます。
これは5G(3.7GHz)で2022年6月末時点ので東京・宮城・大阪・福岡でどのくらいのエリアに対応しているのか調べてみました。
ピンクの所が2022年6月に既に利用できるようになった地域で、黄色が2022年秋以降に可能になる地域です。この図で分かるとおりまだまだ5Gエリアは狭いことが分かります。
対応バンドは
実は5Gといっても電波はいくつか種類があり、それぞれ速度や繋がりやすさに違いがあります。
一般的に周波数が高くなるほど高速で通信できますが、直進性が強くなり遠くやビルの中などに届きにくくなる性質があります。
LTEにはプラチナバンドと呼ばれる繋がりやすい周波数帯があり、これに対応していないと端末が繋がりにくいという現象を起こしました。
5GではLTEより更に高い周波数帯を使い、直進性も強いことから、LTEなら1つの基地局でカバーできる所を、複数の基地局を設置しないといけないケースが多いです。
現在5Gとしての利用が進んでいるのは、ラインモ(ソフトバンク)では3.7GHz帯(バンド名n77)です。これはSub6帯と呼ばれ、5Gの中では速度は劣りますが、比較的繋がりやすい電波です。
3.7GHz | n77 | 5Gの速度 |
---|---|---|
3.4GHz | n77 | 4Gと同等 |
1.7GHz | n3 | 4Gと同等 |
700MHz | n28 | 4Gと同等 |
28GHz | n257 | 5Gの真価を発揮 |
このうち700MHz、 1.7GHz、 3.4GHzは5G表示になりますが、4Gと同等の速度(4Gからの転用)です。3.7GHzと28GHzが実質の5G通信ができる所ですが、現在は3.7Ghz帯を中心に敷設が進んでいます。28GHz帯はiPhoneさえ対応端末がなく、現在実質ほとんど使えないといってよいでしょう。
5G対応端末の調べ方・設定方法
5Gで通信するためには、5G対応エリアに入っていること、そして5G対応端末であることが必要です。
また、5Gの周波数帯はドコモ・au・ソフトバンクで異なり、ソフトバンクの5Gに対応している端末でないと通信できないと言うことになってしまいます。
5G対応端末を購入するにあたって以下の点に注意しましょう。
- ソフトバンクの5G(n77)に対応している
- ワイモバイル・ソフトバンクを含めSIMロックが解除されている
- ネットワーク利用制限に引っかかっていないもの
- ラインモの動作確認済み端末リストに載っているもの
iPhone
結論ですが、iPhoneはドコモ・au・ソフトバンクどの電波にも対応しているため
- iPhone SE 3世代
- iPhone 13 Pro/Pro Max
- iPhone 13/13 mini
- iPhone 12 Pro/12 Pro Max
- iPhone 12/12 mini
のどのキャリアの端末にも対応しています。※SIMロックの解除は必要です。
そのため以上のiPhoneをお持ちであれば、5Gエリアで5Gでの通信ができるはずです。
ただし5Gに対応しているこれらのiPhoneも、sub6のみの対応で超高速なデータ通信が可能なミリ波には非対応である点に注意しましょう。
iPhoneの設定
5Gを使うためには、2つ設定が必要になります。
音声通話とデータの設定
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」を5Gオンまたは5Gオートにします。
5Gオンは5Gエリアなら常に5Gを利用する選択肢ですが、バッテリーの消費が速くなる可能性があります。5Gオートは5Gエリア内でも4Gと同じ程度の速度なら4Gで通信をするモードで、バッテリーの節約になります。
データモードの設定
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データモード」を次の3つから選びます。
「5Gでより多くのデータを許容」はWi-Fi通信が可能でも5Gのほうが速ければ5G通信を行うモードです。
「標準」は自動アップデートは5Gで行い、動画再生などは画質制限をかけるものです。
「省データモード」は自動アップデートや動画再生などで、5G使用を一時停止するものです。
5Gは高速で通信できる反面、僅かの接続で大容量のデータを消費してしまうというデメリットがあります。契約したギガ数を超えないよう、適宜5G使用の設定を行いましょう。
Android
Android端末はメーカーによって対応端末が異なります。
ラインモ(ソフトバンク)で使える端末を探す場合、n77に対応している端末を購入する必要があります。
主要メーカーの中の5G対応スマホを一覧にしてみました。
- AQUOS R7
- AQUOS wish2
- AQUOS sense6s
- AQUOS wish
- AQUOS sense6
- AQUOS zero6
- AQUOS R6
- AQUOS sense5G
など
ソニー
- Xperia 10 IV
- Xperia Ace III
- Xperia 1 IV
- Xperia PRO-I
- Xperia 5 III
- Xperia 10 III Lite
- Xperia 1 III
- Xperia 10 III
など
Samsung
- Galaxy A53 5G
- Galaxy S22 Ultra
- Galaxy S22
- Galaxy M23 5G
- Galaxy A22 5G
など
OPPO
- OPPO Reno 7 A
- OPPO A55s 5G
- OPPO Find X3 Pro
- OPPO A54 5G
- OPPO Reno5 A
など
LINEMOで使うには、このうち動作確認が取れているものを選ぶ必要があります。
2022年7月現在SIMフリー機で動作確認が取れているものは以下の通りです。(5G非対応端末も含まれます)
- ROG Phone 3
- ROG Phone 5
- ROG Phone 5 Ultimate
- ROG Phone 5s
- ROG Phone 5s Pro
- Smartphone for Snapdragon Insiders
- ZenFone 7
- ZenFone 7 Pro
- Zenfone 8
- Zenfone 8 Flip
- Google Pixel 4a (5G)
- Google Pixel 5
- Google Pixel 6
- Google Pixel 6 Pro
- Mate P30 Pro 5G
- nova 5T
- nova lite 3
- P30 lite
- P40 lite 5G
- P40 lite E
- P40 Pro
- BASIO4
- OPPO A5 2020
- OPPO A54 5G
- OPPO A55s 5G
- OPPO A73
- OPPO Find X3 Pro
- OPPO Reno A
- OPPO Reno3 A
- OPPO Reno5 A
- Galaxy A7
- AQUOS R6
- AQUOS sense4 plus
- AQUOS sense6
- AQUOS wish
- Xperia 1 III
- Xperia 10 III Lite
- Xperia PRO-I
- Xperia5Ⅲ
- POCO F4 GT
- Redmi Note 10T
- Redmi Note 11
- Redmi Note 11 Pro 5G
- Redmi Note 9S
- Xiaomi 11T
- Xiaomi 11T Pro
- Xiaomi Mi 11 Lite 5G
Android端末の設定
Android端末の5Gの設定は機種によりますが、概ね以下のようになります。
「設定」→「モバイルネットワーク」→「優先ネットワーク」→5Gの記載のあるモードにします。
5Gスマホの購入方法
5G端末の購入方法は以下の通りです。
まずLINEMO公式サイトでは、2022年7月現在スマホ端末の販売はありません。そのため、ソフトバンクオンラインショップで購入するか、AppleストアでSIMフリー機を購入する、家電量販店や通販サイトでSIMフリー端末を購入するの3つが考えられます。
iPhoneやiPadは全てハードウェア的には同じ端末のため、キャリアによる相性問題が起こりませんが、Android端末の場合、ドコモやau、楽天モバイルなどでの販売品はソフトバンクでは使えない、使えても電波が悪いといった問題を起こしがちです。
そのためAndroid端末を購入するなら相性問題が起こらない、ソフトバンクオンラインショップでの購入が安心です。
しかしソフトバンクオンラインショップでは端末の種類に限りがあり、もっと色々なスマホの中から選びたいという方もいらっしゃると思います。
その場合、対応バンドの確認などがちゃんとできれば、家電量販店(ヨドバシ・ビックカメラ・ベスト電器・ジョーシン・コジマ・エディオン・ケーズデンキなど)や、アマゾンなどでSIMフリースマホの購入が可能です。
iPhone、iPadであればアップル公式ストアで購入することも考えられます。下取りプログラムなどに参加すれば安く購入できますし、分割払いにも対応しているので、一括で費用を用意できなくても購入することが可能です。
初心者にはおすすめできませんが、スマホに詳しい方は、メルカリ・ヤフオクなどフリマアプリで中古品や新品を購入することも可能です。
その場合、ラインモ公式サイトに動作確認済み端末として載っており、SIMロックが解除されている・ネットワーク利用制限がかかっていない、パスワードロックなどがかかっていない、バッテリーが消耗していないなど、十分利用可能な白ロムを選ぶ必要があります。
フリマサイトでの中古の購入はリスクはありますが、一番安く購入できる方法ではあります。特に新品未開封で一括払い済みの5G端末は狙い目です。
おすすめの5Gスマホ
iPhone SE(3世代)
画像出典:https://www.apple.com/jp/iphone-se/
まずiPhoneでは手頃価格で購入でき、5Gにも対応しているiPhone SE 3世代がおすすめです。
5Gに対応しているiPhoneは
- iPhone SE 3世代
- iPhone 13 Pro/Pro Max
- iPhone 13/13 mini
- iPhone 12 Pro/12 Pro Max
- iPhone 12/12 mini
と既にiPhone 12から使えるようになっていますが、
iPhone 12 102,800円~(最小容量)
iPhone 13 117,800円~(最小容量)
と非常に高額です。
しかしiPhone SE 3であれば62,800円から(最小容量)と低価格でありながら、5G通信に対応しています。
もちろん予算に余裕があればiPhone 12, 13が検討できますが、そうでない場合で5G通信を体験してみたい場合、iPhone SE 3世代がぴったりです。
使われているチップはA15 Bionicで、iPhone13と同様であり、なんら遜色はありません。
iPhone SE 3のスペック | |
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価格 | 62,800円~ |
発売日 | 2022年3月18日 |
プロセッサ | A15 Bionic |
画面 | 4.7インチ |
サイズ | 138.4×67.3×7.3mm |
RAM | 非公開 |
ROM | 64/128/256GB |
バッテリー | 非公開 |
Google Pixel 6
画像出典:https://kakaku.com/item/K0001393016/images/
Android端末で注目されているGoogle PixelシリーズではGoogle Pixel 6が人気です。(価格コムのランキングによる)
Google Pixel 6に搭載されているチップはPixel専用に開発されたチップで、5Gでの高速な通信にも対応しています。
5G通信ではバッテリーの消耗がLTEより激しくなりますが、4,614mAhの大容量バッテリーを搭載、30WのUSB-C充電器で高速にバッテリーのチャージが可能になっています。
Pixel 6aとの違いは、6aはメモリが6GBである点、画面も6.1インチとやや小さく、ストレージは128GBに固定されています。またバッテリーも4,410mAhと少なめになっています。
もちろんどちらも5Gに対応しています。
Pixel 6のスペック | |
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価格 | 65,800円~ |
発売日 | 2021年10月28日 |
プロセッサ | Google Tensor |
画面 | 6.4インチ |
サイズ | 74.8×158.6×8.9mm |
RAM | 8GB |
ROM | 128/256GB |
バッテリー | 4,614mAh |
AQUOS sense6
画像出典:https://kakaku.com/item/K0001400296/images/
シャープAQUOSからも5G対応スマホが発売されています。その中でAQUOS sense6は人気種(価格コムのランキングによる)で、33,800円から購入でき入手しやすい価格帯となっています。
初期OSバージョンがAndroid11のsense6はこれからもバージョンアップによって使い続けられる端末です。SoCにはQualcomm Snapdragon 690 5G mobile platformが搭載されており、快適な5G通信を行えるようになっています。
バッテリーも4,570という大容量ですが、USB-PD 3.0に対応しており、急速短時間での充電を可能にしています。
またSIMはDSDVで2枚のSIMを使用することができますが、nano-SIMに加えてeSIMなので、nanoSIM×2枚ではない点に注意が必要です。
AQUOS sense6のスペック | |
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価格 | 33,800円~ |
発売日 | 2021年11月26日 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 690 5G mobile platform |
画面 | 6.1インチ |
サイズ | 70×152×7.9mm |
RAM | 4/6GB |
ROM | 64/128GB |
バッテリー | 4,570mAh |
ラインモでの5G通信の利用まとめ
- ラインモでは追加料金無料で5G通信が使える
- 利用には対応エリアと対応端末・そして5Gの設定が必要
- エリアは当面3.7GHz帯のSub6で、超高速のミリ波のエリアは狭い
- 5Gの対応エリアはまだ狭く、使えるところは限定されている
- iPhone12以降や最近のAndroid端末でも5Gに対応してきている
かつて5Gサービスは大手キャリアをメインに利用できるサービスでしたが、現在はLINEMOやahamo、IIJmio、mineoなど多くの格安SIMでも無料またはオプション加入で使える様になりました。
LINEMOは3GBを990円から使える格安なSIMサービスですが、LINEMOも追加料金などなしで、ソフトバンクと全く同じエリアで5G通信を試すことが可能になっています。
またLINEMOは3GBプラン(ミニプラン)以外に20GBを2,728円で使えるスマホプランもあり、3GBで足りない月は適宜20GBにプラン変更するなど、柔軟な利用が可能になっています。
LINEMOでは残念ながらスマホ端末のセット販売はありませんが、ソフトバンクオンラインショップでは購入が可能です。ぜひこの機会に5Gも利用できるLINEMOを検討して、スマホ料金を減らしていきましょう!