海外へ行く際も必須になるのがスマホの通信環境。これまでは海外のパケット代を追加で払ったり、モバイルWi-Fiをレンタルしたり、などの方法を取らざるを得なかったですが、今の電話番号をそのまま、追加料金なしで使いたいという場合も多いと思います。ahamoなら基本料金のみで20GBまで海外ローミングが使い放題です。詳しい料金や設定方法、利用できるエリア(国)、注意点などを解説しています。
目次
海外ローミングも20GBまで
ahamoは月額2,970円で20GBまで使えるドコモのオンライン専用プランです。このahamoですが、実は海外旅行など海外利用にも最適で、申し込み不要・追加料金なしで、海外でも20GBまでデータ通信をすることができます。
エリアは82の国と地域で、日本人の渡航先のおよそ95%をカバーしています。(画像の緑色の所)
ahamoの国際ローミング | |
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データ容量 | 20GBまで |
申し込み | 不要 |
容量追加 | 1GB/550円 |
エリア | 82カ国・地域 |
通話・SMS | 別料金 |
データ通信 | 無料 |
利用可能期間 | 15日間まで |
ただし通話料金とSMS料金は別途料金が発生します。
そのまま使える(簡単設定)
ahamoを海外利用する方法は簡単です。いつも使っているスマホをそのまま使うことができます。
方法は、iPhone・Android端末の設定項目の国際ローミングをONにするだけです。後はその国に入れば電波の強さに応じて自動的に接続されます。(下に解説あり)
速度は遅い?
プランとしての速度の制限はなく、現地の電波状況に応じて繋がります。3G/GSM回線で遅い地域もあれば、LTEで高速な通信ができるエリアもあります。
高速データ通信の上限である20GBまでなら高速で繋がり、データを使い切ってしまうと最大1Mbpsの速度に制限されます。このとき必ず1Mbps出るのでは無く、「最大で1Mbps」なので注意しましょう。
1Mbpsは色々なアプリでまあまあストレス無く使える程度で、低画質であれば動画もみれます。また速度が遅いと感じたら、国内と同じチャージ代金(550円/1GB)で高速データをチャージすることが可能です。
※ただしahamo大盛りオプションを付けている場合は、チャージが効かず1Mbpsのままとなります。(下に解説あり)
海外でテザリングも使える
ahamoは海外でのテザリングにも対応しています。
そのため、スマホ以外の機器(PCなど)にWi-Fi接続して使うこともできるのですね。
ahamo以外のローミング方法
ahamo以外にも海外でデータを使う方法はいくつか考えられます。
- 現地のプリペイドSIMカードを契約する
- モバイルWi-Fiを契約する
- 現地のフリーWi-Fiを使う
いずれも海外でデータを使うことができる方法ですが、費用がかかる、契約が面倒、端末のSIMロックの解除が必要などのデメリットがあります。
しかしahamoであれば、通常利用している端末に刺さったSIMをそのまま使えるので、スムーズに簡単に海外でスマホを使えます。
利用できるエリア(国)
対応エリアはデータ通信と音声通話(とSMS)により差があります。
データ通信(82カ国)
モバイルデータは世界の82カ国・地域で使うことができます。以下はahamoの対応エリアの図です。
画像出典:https://ahamo.com/services/roaming-data/
ヨーロッパや北米はほぼ網羅しているものの、中東・アフリカを中心に使えない国が多くなっている印象です。とはいえ、日本人の渡航先のおよそ95%がカバーされている(ドコモ調べ)ので、ほとんど困ることはなさそうです。
具体的な対象国は以下の表の通りです。
北米 | アメリカ(本土)・アラスカ・カナダ・グアム・サイパン・ハワイ |
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アジア | インド・インドネシア・カンボジア・シンガポール・タイ・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・マカオ・マレーシア・ミャンマー・ラオス・韓国・香港・台湾・中国・バングラデシュ |
オセアニア | オーストラリア・ニュージーランド・フィジー・ナウル |
ヨーロッパ | アイルランド・アゾレス諸島・アンドラ・イギリス・イタリア・エストニア・オーストリア・オランダ・カナリア諸島・キプロス・ギリシャ・クロアチア・サンマリノ・スイス・スウェーデン・スペイン・スペイン領北アフリカ・スロバキア・チェコ・デンマーク・ドイツ・トルコ・ノルウェー・バチカン・ハンガリー・フィンランド・フランス・ブルガリア・ベルギー・ポーランド・ポルトガル・マディラ諸島・モナコ・ラトビア・リトアニア・リヒテンシュタイン・ルーマニア・ルクセンブルク・ロシア |
中南米 | 米領バージン諸島・プエルトリコ・ブラジル・ペルー・メキシコ・チリ・エクアドル |
中東 | カタール・オマーン・イスラエル・ヨルダン・サウジアラビア |
アフリカ | エジプト・モロッコ・南アフリカ・レソト |
通話とSMS(World Wing)
画像出典:https://ahamo.com/services/roaming/
通話とSMSはドコモの仕様と同じでWorld Wingの200カ国以上に対応しています。
これはahamoのデータの対応エリアより広く、世界のほとんどの地域をカバーしています。
具体的な対象国は以下の表の通りです。
北米 | アメリカ(本土)・アラスカ・カナダ・グアム・サイパン・ハワイ |
---|---|
アジア | インド・インドネシア・韓国・カンボジア・シンガポール・スリランカ・タイ・台湾・中国・ネパール・パキスタン・バングラデシュ・東ティモール・ブータン・フィリピン・ブルネイ・ベトナム・香港・マカオ・マレーシア・ミャンマー・モルディブ・モンゴル・ラオス |
オセアニア | オーストラリア・キリバス・クック諸島・クリスマス島(※インド洋)・サモア・ソロモン諸島・トンガ・ナウル・ニューカレドニア・ニュージーランド・バヌアツ・パプアニューギニア・パラオ・フィジー・仏領ポリネシア(タヒチ含む)・ミクロネシア連邦 |
ヨーロッパ | アイスランド・アイルランド・アゼルバイジャン・アゾレス諸島・アルバニア・アルメニア・アンドラ・イギリス・イタリア・ウクライナ・ウズベキスタン・エストニア・オーストリア・オランダ・ガーンジー・カザフスタン・カナリア諸島・キプロス・ギリシャ・キルギス・グリーンランド・クロアチア・コソボ・サンマリノ・ジブラルタル・ジャージー・ジョージア・スイス・スウェーデン・スペイン・スペイン領北アフリカ・スロバキア・スロベニア・セルビア・タジキスタン・チェコ・デンマーク・ドイツ・トルクメニスタン・トルコ・ノルウェー・バチカン・ハンガリー・フィンランド・フェロー諸島・フランス・ブルガリア・ベラルーシ・ベルギー・ポーランド・ボスニア・ヘルツェゴビナ・ポルトガル・マケドニア・マディラ諸島・マルタ・マン島・モナコ・モルドバ・モンテネグロ・ラトビア・リトアニア・リヒテンシュタイン・ルーマニア・ルクセンブルク・ロシア |
中東 | アフガニスタン・アラブ首長国連邦・イエメン・イスラエル・イラク・イラン・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・シリア・バーレーン・パレスチナ自治区・ヨルダン・レバノン |
中南米 | アルゼンチン・アルバ・アンギラ・アンティグア・バーブーダ・ウルグアイ・英領バージン諸島・エクアドル・エルサルバドル・オランダ領アンティル(キュラソー・ボネール島)・オランダ領シント・マールテン・ガイアナ・キューバ・グアテマラ・グアドループ島・グレナダ・ケイマン諸島・コスタリカ・コロンビア・ジャマイカ・スリナム・セントクリストファー・ネイビス・セントビンセント・グレナディーン諸島・セントルシア・タークス諸島・カイコス諸島・チリ・ドミニカ共和国・ドミニカ国・トリニダード・トバゴ・ニカラグア・ハイチ・パナマ・バハマ・バミューダ諸島・パラグアイ・バルバドス・プエルトリコ・フォークランド諸島・仏領ギアナ・仏領サン・マルタン・ブラジル・米領バージン諸島・ベネズエラ・ベリーズ・ペルー・ボリビア・ホンジュラス・マルティニク・メキシコ・モンセラット |
アフリカ | アセンション島・アルジェリア・アンゴラ・ウガンダ・エジプト・エスワティニ・エチオピア・ガーナ・カーボベルデ・ガボン・カメルーン・ガンビア・ギニア・ギニアビサウ・ケニア・コートジボワール・コモロ・コンゴ共和国・コンゴ民主共和国・サントメプリンシペ・ザンビア・シエラレオネ・ジブチ・ジンバブエ・スーダン・セイシェル・赤道ギニア・セネガル・セントヘレナ島・タンザニア・チャド・中央アフリカ・チュニジア・トーゴ・ナイジェリア・ナミビア・ニジェール・ブルキナファソ・ブルンジ・ベナン・ボツワナ・マイヨット島・マダガスカル・マラウイ・マリ・南アフリカ・南スーダン・モーリシャス・モーリタニア・モザンビーク・モロッコ・リビア・リベリア・ルワンダ・レソト・レユニオン |
アハモには5分間の無料通話がついていますが、これは国内のみで国際電話は含まれません。
海外ローミングの料金
データ通信
先に挙げた82の国と地域に限り、追加料金無料で20GBまでのデータ通信が利用できます。これは日本国内の利用との合算で、日本で10GBまで使っている場合は、海外では10GBまで使うことができます。
またその他の国では低速モードでも通信できないので注意が必要です。
またahamoには大盛りオプションがありますが、大盛りオプションを付けても海外ローミングの上限は20GBなので注意しましょう。
海外高速データ容量 | 20GBまで |
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大盛り時の海外データ容量 | 20GBまで |
海外容量追加(チャージ) | 550円/1GB |
※高速データを使い切って締まった場合、1MBpsに制限されますが、1GB=550円の容量追加(チャージ)で高速に戻すことができます。
通話
海外では発信(電話をかける)だけでなく、着信(電話を受ける)でも料金がかかります。また滞在国内への通話や日本宛の電話、滞在国や日本以外のその他の国に通話する場合も料金が異なります。
以下はその一例です。
国(円/分) | 滞在国内 | 日本 | その他の国 | 着信 |
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アメリカ | 125円 | 140円 | 265円 | 175円 |
ハワイ | 125円 | 140円 | 265円 | 175円 |
中国 | 75円 | 175円 | 265円 | 145円 |
韓国 | 50円 | 125円 | 265円 | 70円 |
南アフリカ | 80円 | 180円 | 280円 | 160円 |
ブラジル | 80円 | 280円 | 280円 | 140円 |
ドイツ | 80円 | 180円 | 280円 | 110円 |
オーストラリア | 80円 | 180円 | 280円 | 80円 |
SMS
SMSの送信料は国にかかわらず一律、1通100円です。受信には費用がかかりません。
国際ローミング時の注意点
15日以上はほぼ使えない
ahamoの国外利用は15日間までとなっています。海外の滞在が15日間を超えると最大通信速度が128kbpsに制限されてしまいます。これはほぼデータ通信ができない速度で、実質的な利用は難しいです。
この通信制限は20GB使い切っていない場合や、データチャージをすることでも解除することはできず、日本に帰るまでずっと続きます。元の速度に戻るのは帰国後となります。(海外で翌月を迎えても解除されませんので、注意が必要です。)
高額利用(5万円以上)で規制
ahamoでは、国際電話・国際SMSの利用額の合計が5万円を超えるとデータ通信ができなくなってしまいます。(月末まで)データをチャージしたり大盛りオプションを付けたりしても、規制は解除できません。
海外での通話は料金が高く、利用には注意が必要です。せっかくデータが20GBも使えるのですから、アプリからのIP電話などで代用したいものです。
データ使い切り時は1Mbps
ひと月の利用可能データ量を超えた場合、通信速度が送受信時最大1Mbpsになります。この1Mbpsとは地図アプリやLINEトークなどを行うにはほとんど問題ない速度です。一方ウェブサイトを閲覧したり容量の大きい画像をSNSにアップしたりすることが多いと、速度でストレスを感じがちになります。
この場合は国内同様、利用可能データ量の追加購入(1GB=550円)で速度制限は解除されます。
大盛り時はデータチャージが効かない
大盛りオプション加入中の場合、データチャージが効きません。速度制限は当月末まで解除されませんので気をつけましょう。
そのため、海外にいくことが分かっており、かつデータが20GBを超えそうな場合は、あらかじめ大盛りオプションを解除しておくと安心です。
ドコモとは利用条件が異なる
アハモはドコモのサービスなので、海外利用の条件も同じと思われがちですが、実は異なります。
まずアハモのほうがデータ通信の対応エリアが狭いです。ドコモなら200以上の国と地域で使えますが、ahamoは82カ国(と地域)です。
またドコモでは海外利用には別途料金が必要です。
プラン | 料金 |
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パケットパック海外オプション | 200円/1時間 980円/ 24時間 2,480円/3日間 3,980円/5日間 5,280円/7日間 |
海外パケ・ホーダイ | 2,980円/日 |
ローミングの設定方法
どちらの場合も設定はとても簡単です。
iPhoneの場合
iPhoneの「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データローミング」をONにします。
Android端末の場合
Android端末の「設定」→「モバイルネットワーク」→「モバイルデータ通信」→「データローミング」をONにします。
他SIMサービスとの比較
povo・Linemo・楽天との比較
povoでは2022年7月現在、海外ローミング非対応となっています。つまり海外では使うことができません。
povo2.0
povo2.0 | 海外利用非対応 |
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LINEMO
LINEMOでは世界ケータイというサービスで国際ローミングが利用できます。
世界ケータイは新規でLINEMOを契約した場合、課金開始から0~4ヶ月目までは加入することができません。※MNP乗り換えの場合はすぐに申し込むことが可能です。
海外パケットし放題 | 2,980円/日 |
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海外パケットし放題は申し込み必要で、1日1,980円(25MB未満)~1日2,980円(25MB以上)で国際ローミングを利用できるサービスです。
25MBでは少量すぎてほとんど通信ができないので、実質25MB以上の2,980円になります。これはahamoと比べるとかなり割高であることが分かります。また音声通話やSMSは別料金です。
そのため海外利用の多い方はLINEMOは不向きといえます。
楽天モバイル
Rakuten UN-LIMIT VII | 2GBまで無料 |
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楽天モバイルの海外利用は、パートナー回線(au)のローミングを利用しており、2GBまで無料で使うことができます。2GBを超えると128kbpsに制限されます。また500円/1GBデータチャージで速度制限を解除することができます。
対応エリアは66の国と地域です。
ahamoと比べると、エリアが狭くまた2GBまでしか使えない点がやや物足りないです。ただあまりデータを使わない・対象国の中に行きたい国が入っているという方にとっては問題ないですね。
格安SIMとの比較
格安SIMでは海外ローミングに対応しているものの、通話とSMSのみで、ほとんどの場合データ通信はローミングできません。
そのため国際電話のみでよいという場合は格安SIMでも構わないのですが、グーグルマップで場所を調べたり、SNSに登校したり、LINE通話を使うシーンが多い方には適していないことが分かります。
こんな用途におすすめ
短期間の旅行
ahamoは短期間の旅行に最適です。
ゴールデンウィークや夏休みなどに海外へ旅行にいく方も多いと思いますが、そのような際15日間以内の渡航であれば、ahamoは最適です。基本料金2,970円以外に追加料金や申し込みも要らず、今使っているスマホそのまま持っていくだけで済みます。
2022年は海外旅行の規制もかなり緩和されるため、海外旅行にいく方がかなり増えています。プリペイドSIMを買ったりモバイルWi-Fiを契約したりする手間をかけずに、旅行を楽しめます。
短期間の留学
数ヶ月間かかる長期の留学には向いていませんが、15日間以内の留学であればahamoで対応できます。
留学は旅費や学費などが多数かかり、その上通信費まで気を遣うのは大変です。ahamoであれば基本料金のみで20GBまでのデータ通信ができますから、国際電話を使わないでLINE通話などで済むのであれば、かなり格安に留学が可能です。
海外出張
数日の海外出張が入ったときも、ahamoで充分対応できます。渡航が短いからといってスマホ通信をなしにするわけにはいかないですよね。
ahamoなら申し込みや別途料金なしで、設定で国際ローミングをオンにするだけでメールやミーティング(ZOOMなど)ができます。必要になれば通話もでき、そのエリアはドコモの200の国と地域で可能なので、繋がらない心配などもありません。
アハモの海外利用のまとめ
- ahamoは海外でも20GBまで無料で使える
- 申し込みの必要がなく設定も簡単
- 通話料金・SMS送信料は別にかかる
- 15日以上使えないので短期間の渡航におすすめ
- 速度制限もなく、容量を使い切ったらチャージができる
- データ通信と通話・SMSで対応エリアが異なる点に注意
ドコモのオンライン専用プランであるahamoは海外でも20GBまでデータ通信可能で、ドコモのつながるエリアなら世界中電話・SMSも届きます。※データは82の国と地域に限定されます。
プリペイドSIMやモバイルWi-Fiを契約する方法もありますが、ルータを持ち運んだり、SIMを受け取ったりする手間がかかってしまいます。
また、SIM会社はたくさんありますが、povoや格安SIMでは海外利用が難しく、LINEMOは料金が高いです。
海外にいく機会が多い方には、渡航期間が15日以内であれば2,970円で利用できるahamoが最強なのではないでしょうか?