高速~超高速のデータ通信が可能になる5Gサービスが開始され、使える地域が広がり身近なものとなってきました。ドコモのオンライン専用プランである「ahamo」は5Gに対応しているのでしょうか?実際の対応バンドや5Gエリア、5G対応機種、5G対応スマホの選び方・買い方、そして設定方法についても解説しています。
目次
ahamoは無料で5Gが使える
ahamoでは5G通信サービスを無料で使うことができます。そのため5G対応端末で対応エリアに居れば自動的に5Gで通信することができます。
ドコモと差はあるか?
ahamoはドコモの回線をそのまま使っているため、5Gの繋がりやすさや速度もドコモと同じです。
ahamoは格安プランだからドコモより速度が遅い、エリアが狭いということはありませんのでご安心ください。
そのため、ドコモで5Gが使えない所ではahamoも使えず、ドコモが通信障害を起こすとそれはahamoにも波及します。
5Gを使える条件
5Gのサービスは無条件で使えるわけではありません。5G対応端末と5G電波のエリアにいる必要があります。
5G対応端末とは、5Gの電波が掴めるスマートフォンのことです。この数年に発売された端末は5G対応のスマホであることが多いですが、廉価版や2年以上前の端末は4G(LTE)しか使えない場合があります。
その場合、5Gエリアにいても4Gの電波しか使うことができません。
また5Gのエリアとは、都心や主要駅周辺、人口密度が高いエリアを中心にした狭い範囲の5Gサービス地域のことです。2022年10月現在では、エリアマップを見る限り大半の地域は5Gの電波が飛んでいません。
ahamoの5G対応エリア
ahamoの5G対応エリアはドコモと全く同じなので、ドコモの公式サイトでエリアマップを確認することができます。
これらは東京、仙台、大阪、福岡の5Gエリアの地図です。紫色の点々と緑色の「m」と書かれたスポットは「ミリ波」と呼ばれる5Gの中でも超高速で通信ができるエリアです。
※上の図ではmスポットが多すぎて地図が見えなくなるため、表示をOFFにしています。拡大して表示した時はこのような感じになります。
濃い赤のエリアはミリ波より遅いものの高速な通信ができる5Gのエリアです。
背景のクリーム色の所はLTE(4G)のエリアです。東京都心であっても5Gは全域では使えないことが分かります。
5Gエリアは日々敷設が進んでいるので、最新のエリアは公式サイトをご覧ください。また公式サイトでは、現時点でのエリアと3ヶ月後、半年後のエリアの予測が載っているので合わせて参照下さい。
ドコモの対応バンド
実は5Gには種類があり、5Gの中でも超高速な電波と、やや遅いものの繋がるエリアが広い電波があります。超高速な電波は「ミリ波」と呼ばれ、後者は「Sub-6(サブ6)」と呼ばれています。
一般的に電波は周波数が高くなるほど高速で通信できますが、直進性が強くなり遠くやビルの中・地下などに届きにくくなる性質があります。
LTE(4G)ではプラチナバンドと呼ばれる繋がりやすい周波数帯があり、これに対応していないと端末が繋がりにくいという現象を起こしました。
5GではLTEより更に高い周波数帯を使い、直進性も強いことから、LTEなら1つの基地局でカバーできる所を、複数の基地局を設置しないといけないケースが多いです。
現在5Gとしての利用が進んでいるのは、ahamo(ドコモ)では3.7GHz、4.5GHz帯(バンド名n78、n79)です。これはSub6帯と呼ばれ、5Gの中では速度は劣りますが、比較的繋がりやすい電波です。
超高速の「ミリ波」は高周波数の28Ghz帯(バンド名n257)を利用しています。またLTEの電波を転用したNR化バンドは広いものの速度はLTEと同じです。
3.7GHz | n78 | 5Gの速度 |
---|---|---|
4.5GHz | n79 | 5Gの速度 |
3.5GHz、3.4GHz、700MHz | n28など | NR化(4Gと同じ速度) |
28GHz | n257 | 5Gの真価を発揮 |
このうち700MHz、 3.4GHz、 3.5GHzは5G表示になりますが、NR化バンドと呼ばれ4Gと同等の速度(4Gからの転用)です。3.7GHzと4.5GHz、28GHzが実質の5G通信ができる所ですが、現在は3.7GHz、4.5Ghz帯を中心に敷設が進んでいます。28GHz帯は最新iPhoneさえ対応がなく、2022年10月現時点ではごく一部の端末でのみ体験できます。
実際に5Gスマホで計測!
管理人の地域の近くでも5Gの電波が届くようになってきました。そこで5G対応端末(ahamoで購入したAQUOS wish2)でドコモの5G電波で通信できるか試してみました。
実際にテストしたところ、ダウンロード速度が267Mbps、アップロード速度が43.5MbpsとLTEの10倍程度の速度を観測することができました。
やはり5Gは速いですね。ただスピードテストでは速度が出る分消費するデータ量も多くなり、1回のテストで500MB近くも消費してしまいました。
5G対応スマホの調べ方・設定方法
5Gで通信するためには、5G対応エリアに入っていること、そして5G対応端末であることが必要です。
また、5Gの周波数帯はドコモ・au・ソフトバンクで異なり、ドコモ(ahamo)の5Gに対応している端末でないと通信できないということになってしまいます。
5G対応端末を購入するにあたって以下の点に注意しましょう。
- ドコモの5G(n78、n79)に対応している
- 他社端末の場合SIMロックが解除されている
- ネットワーク利用制限に引っかかっていないもの
- アハモの動作確認済み端末リストに載っているもの
iPhoneの場合
結論ですが、iPhoneはドコモ・au・ソフトバンクどの電波にも対応しているため、どのキャリアの端末にも対応しています。※SIMロックの解除は必要です。
- iPhone 14 Pro Max
- iPhone 14 Pro
- iPhone 14 Plus
- iPhone 14
- iPhone 13 Pro Max
- iPhone 13 Pro
- iPhone 13
- iPhone 13 mini
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone SE (3世代)
以上のiPhoneが5G通信に対応しています。
ただし5Gに対応しているこれらのiPhoneも、sub-6のみの対応で超高速なデータ通信が可能なミリ波には非対応である点に注意しましょう。
iPhoneの設定
5Gを使うためには、2つ設定が必要になります。
音声通話とデータの設定
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」を5Gオンまたは5Gオートにします。
5Gオンは5Gエリアなら常に5Gを利用する選択肢ですが、バッテリーの消費が速くなる可能性があります。5Gオートは5Gエリア内でも4Gと同じ程度の速度なら4Gで通信をするモードで、バッテリーの節約になります。
データモードの設定
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「データモード」を次の3つから選びます。
「5Gでより多くのデータを許容」はWi-Fi通信が可能でも5Gのほうが速ければ5G通信を行うモードです。
「標準」は自動アップデートは5Gで行い、動画再生などは画質制限をかけるものです。
「省データモード」は自動アップデートや動画再生などで、5G使用を一時停止するものです。
5Gは高速で通信できる反面、僅かの接続で大容量のデータを消費してしまうというデメリットがあります。契約したギガ数を超えないよう、適宜5G使用の設定を行いましょう。
Androidの場合
ahamo(ドコモ)で使える端末を探す場合、n78、n79に対応している端末を購入する必要があります。
主要メーカーの中の5G対応スマホを一覧にしてみました。
- AQUOS R7
- AQUOS wish2
- AQUOS sense6s
- AQUOS wish
- AQUOS sense6
- AQUOS zero6
- AQUOS R6
- AQUOS sense5G
など
ソニー
- Xperia 10 IV
- Xperia Ace III
- Xperia 1 IV
- Xperia PRO-I
- Xperia 5 III
- Xperia 10 III Lite
- Xperia 1 III
- Xperia 10 III
など
Samsung
- Galaxy A53 5G
- Galaxy S22 Ultra
- Galaxy S22
- Galaxy M23 5G
- Galaxy A22 5G
など
OPPO
- OPPO Reno 7 A
- OPPO A55s 5G
- OPPO Find X3 Pro
- OPPO A54 5G
- OPPO Reno5 A
など
ahamoで使うには、このうちahamo公式サイトで動作確認が取れているものを選ぶ必要があります。
Android端末はメーカー数・端末数が非常に多いので、ahamo公式サイトの最新対応状況をご参照ください。
Android端末の設定
Android端末の5Gの設定は機種によりますが、概ね以下のようになります。
「設定」→「モバイルネットワーク」→「優先ネットワーク」→5Gの記載のあるモードにします。
5G端末の入手方法
5G端末の購入方法は以下の通りです。
まずahamo公式サイトでは、2022年10月現在スマホ端末の販売は2種しかありません。そのため、ドコモオンラインショップで購入するか、AppleストアでSIMフリー機を購入する、家電量販店や通販サイトでSIMフリー端末を購入する方法3つが考えられます。
iPhoneやiPadは全てハードウェア的には同じ端末のため、キャリアによる相性問題が起こりませんが、Android端末の場合、auやソフトバンク、楽天モバイルなどでの販売品はドコモでは使えない、使えても電波が悪いといった問題を起こしがちです。
そのためAndroid端末を購入するなら相性問題が起こらない、ドコモオンラインショップでの購入が安心です。
しかしドコモオンラインショップでは端末の種類に限りがあり、もっと色々なスマホの中から選びたいという方もいらっしゃると思います。
その場合、対応バンドの確認などがちゃんとできれば、家電量販店(ヨドバシ・ビックカメラ・ベスト電器・ジョーシン・コジマ・エディオン・ケーズデンキなど)や、アマゾンなどでSIMフリースマホの購入が可能です。
iPhone、iPadであればアップル公式ストアで購入することも考えられます。下取りプログラムなどに参加すれば安く購入できますし、分割払いにも対応しているので、一括で費用を用意できなくても購入することが可能です。
初心者にはおすすめできませんが、スマホに詳しい方は、メルカリ・ヤフオクなどフリマアプリで中古品や新品を購入することも可能です。
その場合、アハモ公式サイトに動作確認済み端末として載っており、SIMロックが解除されている・ネットワーク利用制限がかかっていない、パスワードロックなどがかかっていない、バッテリーが消耗していないなど、十分利用可能な白ロムを選ぶ必要があります。
フリマサイトでの中古の購入はリスクはありますが、一番安く購入できる方法ではあります。特に新品未開封で一括払い済みの5G端末は狙い目です。
おすすめの5Gスマホ
iPhone SE (3世代)
画像出典:https://kakaku.com/item/J0000038249/images/
iPhone SE (3世代) | |
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実勢価格 | 43,500円~ |
発売日 | 2022年3月18日 |
初期OSバージョン | iOS 15 |
SoC | A15 Bionic |
画面サイズ | 4.7インチ |
サイズ | 約138.4×約67.3×7.3mm |
重量 | 144g |
RAM | 4GB※非公式 |
ストレージ(ROM) | 64GB, 128GB, 256GB |
バッテリー | 2,018mAh |
SIM | nano-SIM/eSIM |
生体認証 | 指紋認証 |
5G対応 | 〇 |
その他の機能 | 防水性、防塵性、NFC |
iPhone 14が発売直後にもかかわらずそれを上回る人気を誇っている(価格コムの満足度ランキング3位)のがiPhone SE (3世代)です。43,500円~で購入できる5G対応iPhoneで、満足度も4.28点(価格コムによる)です。
廉価版のiPhoneとされますが、iPhone13、iPhone14と同じくA15 Bionicチップを搭載しており、機能的には遜色ないものとなっています。非公式ではRAMが4GB、バッテリー容量は2,018mAhとこの点ではiPhone14と差別化されています。
画面サイズは4.7インチで重さ144gと小ぶりのスマートフォンで、片手でも操作しやすく、またマスク時代に便利な指紋認証に対応しています。
もちろん予算に余裕があればiPhone 13、14が検討できますが、そうでない場合で5G通信を体験してみたい場合、iPhone SE 3世代がぴったりです。
ahamoユーザならドコモオンラインショップで73,730円で機種変更することもできますが、SIMフリー版なら4万円台で買えるので自分で調達するのがおすすめです。
AQUOS wish2
画像出典:https://kakaku.com/item/J0000038582/images/
AQUOS wish2 SH-51C | |
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価格 | MNP:5,500円 機種変更・新規:22,000円 |
発売日 | 2022年6月24日 |
初期OSバージョン | Android12 |
SoC | Snapdragon 695 5G Mobile Platform 2.2GHz+1.8GHz オクタコア |
画面サイズ | 5.7インチ |
サイズ | 約147mm×約71mm×約8.9mm |
重量 | 162g |
RAM | 4GB |
ストレージ(ROM) | 64GB |
バッテリー | 3,730mAh |
SIM | nano-SIM |
生体認証 | 指紋認証 |
5G対応 | 〇 |
その他の機能 | おサイフケータイ、NFC、防水・防塵性、耐衝撃性、OSバージョンアップ |
2022年6月に発売され、10月現在ahamo公式サイトでも販売があり、定価は22,000円ですがMNP特価なら5,500円です。
搭載されているのは最低限の機能ですが、普段使いするには充分でもちろん5Gにも対応しています。ahamoで販売されているドコモ版はauやソフトバンクの5G電波にも対応しているので多キャリアでSIMカードを抜き差しする方も安心です。
最低限の機能と書きましたが、同じシャープ製のAQUOS sense4などよりベンチマーク結果は良く、5Gの処理をこなすスマホとしての性能を備えているといえます。
機能面では横に指紋認証を搭載、画面サイズは5.7インチと大きすぎず、小さすぎずバッテリーも3,730mAhを搭載しており、価格コムのレビューによればそれなりに電池持ちがよいとのことです。
管理人もahamoで購入してレビューしていますので、よろしければ参考にしてみてください。
Xperia 1 II
画像出典:https://kakaku.com/item/J0000032526/images/
Xperia 1 II | |
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実勢価格 | 68,200円 |
発売日 | 2020年6月18日 |
初期OSバージョン | Android 10 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 865 |
画面サイズ | 6.5インチ |
サイズ | 約166×約72×9.1mm |
重量 | 181g |
RAM | 8GB |
ストレージ(ROM) | 128GB |
バッテリー | 4,000mAh |
SIM | nano-SIM |
生体認証 | 指紋認証 |
5G対応 | 〇 |
その他の機能 | ワンセグ、ハイレゾ、防水防塵、おサイフケータイ |
2020年発売のXperiaですが、現在も人気が高く(価格コムで941種中27位)、評価も高い(同、満足度4.21)端末です。
Xperiaの類似シリーズにはXperia 10 II等がありますが、Xperia 1 IIは10シリーズよりハイスペックでSoCにはQualcomm Snapdragon 865を搭載、RAMは8GBでストレージも128GB備えており、バッテリー容量も4,000mAhと多めです。
余談ですが、Xperia 10シリーズは価格コムのユーザーレビューでも星3を下回るなどあまり評判がよくなく、低価格という点を鑑みてもおすすめできません。Xperiaらしさを体感するには、やはりある程度の値段を出さなければならないようです。(ちなみにXperia 10 IIは5G非対応で、10 IIIから5G対応しています。)
ドコモとauでの発売ですが、ahamoユーザならドコモオンラインショップでお得に機種変更することができ、定価9万以上のところ、68,000円程度で購入することができます。
ahamoでの5G利用のまとめ
- ahamoでは無料で5Gサービスが使える
- エリアや繋がりやすさ・速度はドコモと同じ
- 5G利用には対応エリアと対応機種が必要
- iPhoneなら12以降、SE3世代、Androidでも対応機種が増えている
- 5Gサービスエリアは狭いもののだんだん広がってきている
現在では大手キャリア、格安SIMだけでなくオンライン専用プランでも5Gに対応し、低価格で高速通信が利用できるようになりつつあります。ahamoもその一つで、無料で5G/LTEネットワークを利用できます。
ahamoは月額2,970円で20GBまで、5分無料通話付きで、データを多く消費しがちな5Gサービスでも充分なギガ数を提供しており、またプラス1,980円追加料金で合計100GBまで使える「大盛り」オプションに加入することもできます。
ahamoでは端末を購入できる他、ドコモオンラインショップでたくさんの機種の中から好みの端末を購入することもできます。まだキャリアの高いプランを使っている方や、格安SIMで速度低下に悩んでいる方も、オンライン専用プランで安くそしてストレスのない回線を検討してみてはいかがでしょうか。