楽天モバイルがデータ使用量が1GB以下の場合0円にするプランを有料へと変更しました。そこで乗り換え先にpovo2.0が上がっていますが、本当にpovo2.0でよいのでしょうか?おすすめできる点やデメリットなどあわせて解説します。
目次
povo2.0の0円の本質
povo2.0の基本料金0円は、楽天モバイルの0円とは本質的にコンセプトが異なります。
povo2.0の料金体系の仕組み
公式サイトより
楽天モバイルは1GBまでを0円で使うことができましたが、povo2.0は基本料金が0円で適宜データや通話のオプション(トッピング)を購入することで、SIM回線を使っていきます。(課金が前提となっています。)
0円では高速データ通信はついておらず、無料通話もなし、電話は待受メイン、電話をかければ30秒22円の高額な料金がかかります。そのためほとんどそのままでは使えないことが分かります。(トッピングを購入して初めて快適に使えるようになります。)
1GB | 390円(7日間) |
---|---|
3GB | 990円(30日間) |
20GB | 2,700円(30日間) |
60GB | 6,490円(90日間) |
150GB | 12,980円(180日間) |
24時間データ使い放題 | 330円(24時間) |
5分間かけ放題 | 550円(1ヶ月間) |
無制限かけ放題 | 1,650円(1ヶ月間) |
そのため楽天モバイルから乗り換えて0円で済ませようと思うと大きな間違いとなってしまいます。
完全に0円だと強制解約
povo2.0では契約から180日以内にトッピングを購入していない(完全に0円)だと利用が停止し、強制解約になってしまいます。
またそれ以降も最後のトッピングの期限から180日以降に購入がないと、再び利用停止、強制解約になってしまいます。つまり180日ごとの課金が必要になります。
そのため楽天モバイルのように完全な無料では使うことはできないのですね。
ここで180日の計算は最後のトッピングの購入日から180日ではなく、有効期限日から180日という点です。
一番ギガ数の大きい150GBのトッピングは有効期限が180日ですが、有効期限が切れたら即解約になるのではなく、ここから180日間購入がない場合ですので、ご安心ください。
povoは申し込みに条件がある
povo2.0には申し込みに条件があります。
一つ目は本人確認書類として運転免許証かマイナンバーカードが必要なことです。その他の本人確認書類は一切受け付けできないので、この2つを持てない方はpovoを契約することができません。
もう一つがクレジットカードが必須ということです。成人は本人名義のクレジットカード、未成年者に限り家族名義のクレジットカードを用意しなければ、契約することができません。またデビットカード、口座振替、コンビニ払いなども非対応です。
povoに乗り換えたらできなくなること
完全な0円維持
先ほどのように完全な0円ではSIM回線を維持できません。
ほとんど使わず、時々しか使わない場合は、180日に最低1回有料のトッピング(1GB 390円から)を購入するか、使う時に24時間使い放題(330円)を購入するなどしましょう。
また5分以内の通話が月に5回以上あるのであれば、5分間かけ放題(月額550円)をつけるのもありです。
今の端末の使用
楽天モバイルで使っていたスマホ端末がそのままpovoで使えるかどうかは、機種によります。
使える端末もあれば、動作未確認のものもあります。これはpovoの公式サイトで「動作確認済み端末」一覧を公開しているので、この中にお手持ちの端末があればそのまま使うことができます。
リストに載っていなかった端末は電波(対応バンド)を調べてpovo(au回線)で使えるか自分で確認するか、au回線に対応しているSIMフリー端末を自力で探して購入する必要があります。
手厚いサポート
楽天モバイルでは店頭での契約や電話サポートがありましたが、povoではそのようなサポートはありません。
povoはオンライン専用プランと呼ばれ、チャットやメールでのオンラインのサポートのみに限られているためです。
そのため何かトラブルがあったり、SIMの設定がうまくいかなかったり、といった場合にネットで調べる・チャットで尋ねるなど、自分で解決する必要があります。
お得な端末セット販売
楽天モバイルではたくさんの端末のお得なセット販売がありますが、povoでは一切ありません。
そのため端末をお得に購入したい方には不向きです。端末セットでの販売はIIJmioやOCNモバイルなど格安SIMで充実しているところもあるため、そちらを検討した方がよいでしょう。
楽天ポイントの優遇
楽天市場では、楽天モバイルの契約者は1%ポイントが加算されるポイントの優遇がありましたが、楽天モバイルを解約することでそれから外れてしまいます。
引き続きできること・よくなること
同じ電話番号の使用
povoも楽天モバイルも、今使っている電話番号をそのまま乗り換える、MNPに対応しています。そのため現在楽天モバイルで使っている番号をそのまま使うことができます。
そのためには、楽天モバイルから乗り換える際に解約ではなく、MNP予約番号を取得し、povoの申込時に予約番号を入力して、MNPを受け付けてもらえるようにする必要があります。
電話・電波がつながりやすくなる
楽天モバイルは2022年6月現在、プラチナバンドを持っていません。(後から携帯電話会社として参入したためプラチナバンドが割り当てられていません)。
プラチナバンドとは、ビルの影や室内、地下、郊外、田舎などでつながりやすい電波の周波数帯のことです。
そのため楽天モバイルでは地下や室内、田舎などで途切れる、電話が正常に受けられないなどの問題が発生していました。
povoはau回線をそのまま使っているため、auの繋がるエリアであればauと同じように繋がります。また通話品質もauと同じです。
povoへの乗り換えをおすすめできる方
繋がりやすさや通話品質を重視したい
まず繋がりやすさや通話品質を重視したいという方にpovoはおすすめです。
先ほどのように楽天モバイルはまだプラチナバンド(繋がりやすい周波数帯の電波)を割り当ててもらえていないため、データの繋がりやすさや通話品質の面でどうしても劣ってしまいます。
これまで楽天モバイルを使ってきて、そのような面を感じるのであれば、povoは快適に使えると思います。
データ通信量は1~3GB程度
ひと月のデータ使用量は1GBを超えることが多いが3GB未満に収まっているという方は、まさにpovoが向いています。
povo2.0では1ヶ月990円で3GBのデータを購入できるので、ライトな使い方をする方にとってちょうど良い料金帯です。また僅かですが、楽天モバイルの3GB以下の1,078円のプランより安いです。
また3GB以上必要な方は、povoでは次のプランが20GBで2,700円になってしまうため、楽天モバイルの20GB以下2,178円と比べるとやや割高となります。
通常の電話で安くかけ放題したい
楽天モバイルでは、Rakuten Linkというアプリを使うことで通話が無料で行えました。しかし通常のOS標準アプリからかけられないため不便なことがあり、また通話品質の面で劣る所がありました。
そのため通話品質を落とさず電話をたくさんかけたい場合(標準電話アプリでかけたい場合)、10分以内通話が月1,100円のかけ放題に入る必要がありました。※2022年7月から10分が15分に伸びます。
しかしそれ以上長い電話はカバーできず、通常の通話代がかかっていました。
一方povo2.0には回数・時間無制限の完全かけ放題のオプションがあり、月額1,650円で使えることから、長い電話が多い方も電話を安くできることになります。
povo2.0は基本料金が0円なので、データが要らないのであれば、月1,650円でかけ放題をすることも可能です。
待受メイン・少量の電話で使いたい
たくさん通話する方に向いている一方で、待受電話、少量の通話にもpovoは最適です。
子供の塾や習い事の送り迎えに持たせたい場合や、ほぼ待受専用の電話など、基本料金が0円のpovoなら0円で音声通話SIMを維持することができます。
5分間のかけ放題ができる550円のオプションをつけるかどうかですが、電話を掛けた場合の料金は30秒22円なので、550円分を超える通話をするかが分岐点になります。
550÷44=12.5分となり、月に12.5分以上の電話をする方は5分間かけ放題をつけたほうがお得になります。
時々しか使わない
楽天モバイルで1GB以下しか使わない方の中には、時々しか使わないサブ回線として契約している方も少なくないと思います。
その場合、povo2.0は最適で、基本料金は0円で必要な時だけトッピング(高速データやコンテンツなど)を購入する方法で安く使うことができます。
1GBが390円(有効期限7日間)、24時間使い放題が330円(有効期限24時間)などがその例です。
メイン回線が通信障害で使えなくなったとき、出張などでデータが大量に必要な日だけ、といった使い方が可能です。
povo以外のほうがおすすめな方
クレジットカードや本人確認書類が揃わない方
何らかの理由でクレジットカードや本人確認書類(マイナンバーカード又は運転免許証)が揃わないという場合、他の格安SIMを検討するしかありません。
楽天モバイルは口座振替やその他の本人確認書類に対応しているので、そこにとどまらざるを得ない場合もあるでしょう。
スマホは苦手・店頭でのサポートが必要な方
povoはオンライン専用プランなので、店頭で契約して開通させることができません。また契約後も一切対面サポートはなく、電話での受け付けもありません。
povoでは問題発生時は、オンラインチャットまたはメールのみなので、ある程度スマホが使える方でないと運用は難しいといえます。
毎月0.1GB~1GBは必ず使うが3GBは不要な方
ひと月のデータ使用量は3GBも使わない、それどころか1GBも使わず、0.1GB(100MB)程度という場合、povoのデータ量は多すぎるかもしれません。
最低でも3GB月990円払う必要があるので、ほとんど使わない回線に1,000円も払うのはもったいないと感じられるかもしれません。
しかし楽天モバイルにとどまったとすると、同じ3GB以下までの料金で1,078円支払わないといけないので、povoのほうが安いです。
あるいは、ひと月1GB以下で500円以下の格安SIMもあるので、そちらを検討してみても良いかもしれません。
日本通信SIM | 月額290円(1GB) |
---|---|
HISモバイル | 月額290円(100MB以下) |
OCNモバイル | 月額550円(500MB) |
ギガの管理が面倒な方
povoではその仕組み上、必要な時に毎回(毎月)トッピングを購入しないといけません。
たまにデータがオーバーしてチャージするぐらいの手間ならよいですが、毎月基本のデータを買わないといけないとなると、面倒と感じられる方もいると思います。(ただ、購入はアプリ内で簡単に2回ボタンを押すだけですので、それほど面倒なことではありません。)
その場合は継続契約ができる他の格安SIMを検討してもよいでしょう。
楽天モバイル対povo2.0のまとめ
- 楽天・povo共に特徴が異なりおすすめできる方、できない方がいる
- 楽天モバイルは3GB=1,078円、povoは3GB=990円とpovoのほうが安い
- povo2.0は完全な0円では使えない
- povo2.0は繋がりやすく、電話専用・データ専用での契約ができる
- 契約にはクレジットカードや本人確認書類を揃えないといけない
- 端末のお得なセット販売はない、店頭サポートはない等、デメリットもある
povoには向き不向きがあり、楽天モバイルで0円維持していた方の中にはおすすめできる方、できない方がいるのが事実です。
最大の特徴は、電話やデータの繋がりやすさ、お昼でも速度が低下しないことでしょうか。また同じ3GBでもpovoのほうが100円ほど安くなります。
ただpovoはクレジットカードやマイナンバーカード(または運転免許証)が必要なので、実際に申し込めないという方もいらっしゃると思います。
この条件をクリアしているのであれば、値段も安くなり繋がりやすくなるpovoのほうがお得ではないかと考えます。