楽天モバイルの0円廃止で注目を浴びているpovo2.0と日本通信SIMの合理的プラン、どちらも低料金で契約できますが、違いや抑えておくべきポイントも多々あります。そこで違いや特徴、共通点や差異点などを徹底的に解説します。
コンセプトと向いている人の違い
povo2.0と日本通信SIMのコンセプトがどちらもコンセプトがしっかりしており、違いや向いている人がはっきり分かれます。
無駄や割高のプランに対抗する日本通信
出典:公式サイトより
合理的シンプル290プランを発表した日本通信SIMは、ユーザにとって割高な料金や無駄になってしまう料金に対抗するべく「合理的な」プランを生み出しています。
数年前までの大手キャリアの高額な料金プランや高い違約金といったものですね。それは俗にブレケッジと呼ばれており、これに対抗する姿勢を明らかにしています。
2022年に発表した「合理的シンプル290プラン」はそれの最たるもので、データSIMではなく、通話のできる通話SIMにも関わらず、1GBの高速データを込みで290円という破格のプランを提供しています。
公式サイトではこのような方に推奨しています。
- 家のWi-Fiを使うことがほとんどなので、データ量は1GB未満である。
- 電話番号を維持しておきたい。
- 長期間使わない月がある。
- 待ち受け電話として使いたい。
それに加え、
- ふだんは家でWi-Fiを使うが、外出先ではLINEを使ったり、SNSをチェックしたりするのでデータ量は2~3GBくらいです。
- 電話はLINE電話などを使っていますが、LINEで連絡できない場合は普通の電話を使います。
という方には1GB刻みの追加データを提供、
- たくさんは話さないけど、電話をかけることはよくある。
という方には70分通話を700円で提供、
- データはあまり使わないけど、通話はたくさんする。
という方には、無制限かけ放題を1,650円で提供しています。
元々は290円というプランですが、追加データ容量やオプションを付けることによって、様々な方に最適なプランになっています。
キャッチフレーズの出典は公式サイトより
ゼロから自分でプランを作るpovo
出典:povo2.0公式サイトより
最初に発表されたpovo1.0では、20GBのデータが基本プランに組み込まれており、データをたくさん使わない方にとって無駄が多かったです。
しかし2021年秋には基本料金が0円で、データ料金と通話料金を完全に分離させてユーザが自由に選べるpovo2.0というサービスを開始しました。
です。
povo2.0では、自分の使い方に合わせてトッピングといわれるオプションを追加することで、SIM回線を使っていきます。高速データ容量はもちろんのこと、かけ放題のオプション、コンテンツなども自由に選べるようになりました。
いらないものは付けなくて良いから無駄がない、そういう点で日本通信SIMと似ており、また様々な方向けのプランとなっています。
povo2.0の特徴
データのみ、通話のみの契約ができる
出典:povo2.0公式サイトより
povo2.0では、基本料金がゼロ円です。
そこでデータが必要な方はデータトッピングを購入し、通話が多い方は通話トッピングを購入、データを一切買わないといった選択も可能です。(もちろん通話トッピングも買わずに通話し、通常の30秒22円の通話代を払うという方法も可能です。)
これまでデータ購入が基本プランで必須のSIMサービスが一般的だったので、povoのプランはかなりインパクトが強いといえるでしょう。
データを使うなら最安プランは3GBの990円
スマートフォンが主流になった今、全くデータを使わないという方は少ないと思います。その場合、最安のプランは30日間3GBで990円のトッピングが有効です。
povo2.0のデータトッピングは以下のようになっています。
1GB | 390円(7日間) |
---|---|
3GB | 990円(30日間) |
20GB | 2,700円(30日間) |
60GB | 6,490円(90日間) |
150GB | 12,980円(180日間) |
24時間データ使い放題 | 330円(24時間) |
5分間かけ放題 | 550円(1ヶ月間) |
無制限かけ放題 | 1,650円(1ヶ月間) |
この図で分かるとおり、1GBトッピングは7日間有効で1ヶ月は持ちません。3GBも使わない方にとっては割高と感じられる場合もあります。しかしpovo2.0では有効期限が30日(1ヶ月)なのは3GB、20GBしかないので、この中から選ぶしかありません。
通話SIMが0円で持てるため回線維持にも最適
povo2.0の回線は基本料金が0円ながら音声通話SIMを契約することが可能です。そのため待受電話専用や回線(電話番号)の維持、サブ回線での用途などが低料金でできます。
povo2.0は正確には0円ではなく、最低180日に1回は有料のトッピングを購入する必要があります。
しかし長い間音声通話機能の付帯料金は700円程度かかったため、それに比べればかなり安く回線の維持が可能になります。
日本通信SIMの特徴
1GBのデータ込みで通話SIMが290円で持てる
1GBの高速データ通信込みで音声通話SIMが月々290円で持てるのは、2022年6月現在業界最安値です。
HISモバイルという格安SIM会社が似たようなプランを出しましたが、こちらは基本的には月々550円で100MB以下だった場合のみ290円になるプランです。
つまり同じ290円でも、日本通信SIMは1GBまで使えるのに対し、HISモバイルは100MB(0.1GB)と10分の1程度になってしまいます。
またOCNモバイルという格安SIM会社が月々550円で500MB(0.5GB)使えるプランを出していますが、この料金で日本通信SIMなら2GB使えてしまいます。
またpovo2.0は基本プランのみなら0円と安いですが、最大速度が128kbpsという超低速モードになってしまいます。
従量制であり固定制でもある
また日本通信SIMは使った分だけ支払う従量制です。従量制といっても、1GBごとに220円ずつ追加するチャージのようなものとも考えられます。
例えば1GB使ったのなら290円、2GB使ったら510円、3GB使ったら730円です。
日本通信SIMの合理的290プランの料金 | |
---|---|
1GB | 290円 |
2GB | 510円 |
3GB | 730円 |
4GB | 950円 |
5GB | 1,170円 |
10GB | 2,270円 |
20GB | 4,470円 |
100GB | 22,070円 |
※1GBから最大100GBまで1GB刻みで+220円ずつで計算します。
しかし従量制であるものの、上限を設定することができるため、3GBまでと決めたら3GBを超える時点で低速モードも使えない完全なデータゼロになります。そのため固定制の性質もやや持っています。
ただ上限設定はいつでもできるため、速度制限されてももうちょっと使いたいと思ったら、マイページから簡単に上限を上げることができます。
共通する点
かけ放題が安く標準電話からかけられる
どちらにも共通する点として、かけ放題が安く付けられるという特徴があります。
日本通信SIMは70分間通話が700円、完全無制限かけ放題が1,600円で提供されており、povoでも5分間かけ放題が550円、無制限かけ放題が1,650円で提供されています。
またどちらもAndroidやiPhoneのOS標準電話アプリからかけられる、プレフィックス無しの通話というメリットがあります。
プレフィックス付き電話はどうしても音質が劣ったり、専用アプリからかけないといけないので面倒、iPhoneだと着信履歴から直接掛けられないというデメリットがあります。
この点、povo2.0と日本通信は安心です。
参考までに完全かけ放題の料金ははpovoで基本料金0円+1,650円で1,650円、日本通信SIMは290円の基本料金+1,600円で1,890円です。
eSIMと物理SIMが選べる
povoも日本通信も物理SIMの他にeSIMが選べます。
eSIMはeSIM対応の端末(iPhoneなど)が必要で、申し込みもやや面倒なのですが、本人確認が終われば配送手続き不要で即日開通させることができるというメリットがあります。
急ぎの用事で契約したい、対応端末のサブ回線として申し込みたいという場合に使ってみるのもありかと思います。
縛りや違約金・MNP転出料なし
povo2.0も日本通信SIMの合理的290プランも、違約金・1年縛り・2年縛り・MNP転出料はかかりません。
povo2.0 | 日本通信SIM | |
---|---|---|
違約金(解約手数料) | 0円 | 0円 |
最低契約年数(縛り) | 0円 | 0円 |
MNP転出料 | 0円 | 0円 |
申し込みに条件がある
povo、日本通信SIM共に申し込みに条件があります。つまり誰でも契約できるというわけではありません。
まず支払いがクレジットカードのみのため、クレジットカードがない方は契約することができません。
また両方ともデビットカードも不可です。
次にpovo2.0について、本人確認書類に制限があり、運転免許証かマイナンバーカード(個人番号カード)しか使うことができません。そのためこの2つのどちらかを持っていないと契約することができません。
日本通信SIMについては保険証などその他の色々な本人確認書類が使用可能です。
最後に、povoと日本通信SIMには契約できる最低年齢があります。
povoは13歳以上でないと契約できず、日本通信SIMは18歳以上でないと契約できません。
クレジットカード必須、本人確認書類、年齢の理由から全ての方が契約できる訳ではないのですね。
端末のセット販売はない
povo2.0、日本通信SIMともに端末のお得なセット販売がありません。
スマホ端末の販売は一切無いため、自分で端末を用意する必要があります。そのためにはpovoはauで使える端末か、日本通信SIMの場合はドコモで使える端末か、SIMロックが解除されているかなど、自分で調べる必要があります。
異なる点
対応エリアと対応端末の違い
povo2.0と日本通信には対応エリアと対応端末の違いがあります。
povoはau回線なのでauのつながるエリアは全て繋がります。日本通信SIMはドコモ回線のためドコモのつながるエリアは全て繋がります。どちらも人口カバー率は99.9%を超えているため、楽天モバイルなどのようにビルの中や田舎などで途切れる心配は少ないです。
また使用する電波の周波数(対応バンド)が異なるため、povoではauの対応バンド、日本通信SIMではドコモの対応バンドをチェックする必要があります。
対応バンド | |
---|---|
povo(au) | B1,B18,B26,B3,B11,B28,B42 |
日本通信(docomo) | B1,B19,B3,B21,B28,B42 |
※対応バンドのうち赤が必須バンド
povoはキャリアの速度が出る
重要な相違点があります。
まずpovoはauのサブブランドともいえる立ち位置のため、キャリア(au)と同様の速度が出ます。お昼前後や夕方に遅くなる心配がありません。
実際に測ってみると10Mbps以上出ることが多いです。
日本通信は格安SIM特有の遅さになる
一方、日本通信は通常の格安SIMなので、格安SIM特有の遅さになることがあります。特にお昼頃には顕著な速度低下が見られ、300kbps以下になってしまうこともしばしばです。
公式サイトにはドコモの回線速度より速くなることも遅くなることもあります。と書いてありますが、実際使って目立つのは速度低下のほうです。
管理人はIIJmioも契約していましたが、IIJmioの場合、お昼時でも最低1Mbpsをぎりぎりキープしていたので、日本通信SIMのお昼の速度は遅く感じました。
povoは海外での利用に難あり
povo2.0は2022年6月の現時点で海外での国際ローミングサービスには対応していません。つまり海外でデータを使うことができません。
また国際電話と国際SMSは利用可能となっています。
日本通信は5Gは非対応
povo2.0は対応エリアと対応端末が揃えば5G通信が可能です。一方日本通信は2022年6月現在5G対応はしていません。
日本通信SIMのTwitterによると、対応エリアが少ない現時点で5Gを有効にすると、基地局探しに電池を消耗してしまうため、5Gエリアが広がって現実的に利用できるようになったら対応するとのことです。
おすすめできる方
povo2.0がおすすめの方
povo2.0がおすすめな方は以下の通りです。
- データは使わないので電話専用機として使いたい
- 電話番号をもう一つ持ちたい
- 電話が多いので、かけ放題で安く通話したい
- お昼時間も快適につながってほしい
- データ利用量は月3GBまたは20GBぐらい
- データ利用量が日によってばらつきがある
日本通信がおすすめの方
日本通信の合理的290プランがおすすめな方は以下の通りです。
- データはあまり使わないけれどゼロでは困る
- Wi-Fiメインなので3GBも要らない
- 安く電話番号を維持したい
- 電話が多いので、かけ放題で安く通話したい
- 月によってデータの利用量に差がある
- お昼頃は使わないので遅くなっても気にならない
povo対日本通信SIMのまとめ
- povoと日本通信SIMは違いと共通点がある
- それぞれ向き不向きがはっきりしている
- povoはキャリア(au)と同じ速度・繋がりやすさだが最低は3GBの990円から
- 日本通信SIMは速度の不安定さはあるものの1GB 290円から契約できてお得
povoは日本通信SIMに比べると高いものの、auなど大手キャリアより破格の安さです。以前は格安SIMでも1GBで1,298円は普通に払っていました。
格安SIMは速度が遅くなるなど通信品質の面でどうしても劣ってしまいますが、キャリアのオンライン専用プラン(povoなど)はキャリアの回線をそのまま使っているので、品質はそのまま、料金だけ引き下げることが可能です。
ぜひこの機会にお得に節約できるpovoなどのオンライン専用プランを検討してみてください!