povo2.0は子供にも最適なSIMカードです。契約できる年齢や方法、どのような点がよいのか、注意点なども併せて解説します。
目次
13歳以上(中学生・高校生)で本人名義の契約が可
公式サイトによると、povo2.0は13歳以降で本人名義での契約が可能です。
本人名義での契約とは、子供自身の自分の名前で契約できること、自分用の電話番号を持てるということです。
ただし以下の条件を満たす必要があります。
①家族名義のクレジットカードが必要
まずpovoの支払いはクレジットカードのみで、口座振替やコンビニ払いなどができないため、家族名義のクレジットカードが必要です。
本来povoでは本人名義のクレジットカードが必要なのですが、契約者が13歳~17歳の未成年の方の場合に限り、保護者名義のクレジットカードで契約できるとなっています。
②親権者の同意が必要
povoは子供(未成年者)が勝手に契約することはできません。親権者の同意が必要です。
③マイナンバーカードが必須
povoは電話ができる音声通話SIMのため、本人確認が義務づけられています。そこで通常の格安SIMでは様々な本人確認書類を使うことができるのですが、povoではマイナンバーカードまたは運転免許証のみとなっています。
未成年者は運転免許証を持つことができないため、本人名義で契約するためには、子供自身のマイナンバーカードが必須となります。
もちろん親名義で契約可能
中学生・高校生の場合、本人名義での契約が可能ですが、マイナンバーカードを持っていないなど自分で契約できない場合もあります。
その場合は保護者名義でSIM回線を契約して、SIMカードを貸すことでの使用ももちろん可能です。
小学生の場合、親名義で契約可能
12歳以下の小学生の場合、本人名義での契約が不可能です。そのため親名義で契約する必要があります。
親のマイナンバーカードか運転免許証が必要
その場合も保護者名義のクレジットカード、マイナンバーカードか運転免許証を用意する必要があります。
povo2.0は子供向き
povoには子供向けのSIM回線としてのメリットがたくさんあります。
povo2.0の料金プラン
まず回線がほぼ0円で維持できるという点です。プランは以下のようになっているため、他の大手キャリアのオンライン専用プランや格安SIMより安く契約できます。
1GB | 390円(7日間) |
---|---|
3GB | 990円(30日間) |
20GB | 2,700円(30日間) |
60GB | 6,490円(90日間) |
150GB | 12,980円(180日間) |
24時間データ使い放題 | 330円(24時間) |
5分間かけ放題 | 550円(1ヶ月間) |
無制限かけ放題 | 1,650円(1ヶ月間) |
この中で必要なものだけを購入することでSIM回線を運用できます。
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)で契約すると割高な料金がかかってしまうのですが、これなら安心して子供に持たせられます。
音声通話SIMで、電話専用機も可
povoのメリットは電話ができる音声通話SIMであるという点です。
子供の塾や習い事の送迎のタイミングで電話をかける、また保護者からの電話を受けることがありますが、データ専用SIMでは肝心な電話ができません。
またpovoの場合料金プランの仕組みから、データのみ・電話のみといった契約ができるため、子供にデータ通信不要な場合、あるいはさせたくない場合、電話専用機としての使用も可能です。
勝手な課金を防げる
povoアプリで、子供が勝手にデータ通信を購入したりコンテンツを買ったりするのが心配ですが、これはpovoのアプリを親のスマホに入れることで回避が可能です。
データやかけ放題などが必要になったときは、親のスマホのpovoアプリから操作すれば良いので安心です。
フィルタリングや時間制限可能
povoでは未成年WEBフィルターという機能が必須で付いてきます。
また、あんしんフィルター for auというauの通常の契約と同じ本格的なフィルタリング・時間制限・位置検索・アプリの制限などが無料で付けられます。
フィルタリングの強度は小学生・中学生・高校生・高校生プラスの4段階で調節することができ、また時間制限等も設定できます。
複数回線申し込める
povoは1人1回線ではなく、最大5回線契約できます。(au・UQモバイルも合算して)そのため子供が複数人いる場合でも、保護者が複数回線契約して貸与することが可能です。
エリアはauと同じ
エリアはauと同じく日本中で広くつながり、人口カバー率は99.9%です。同じく無料での回線を提供していた、楽天モバイルのように繋がりづらい、電話が途切れがちになるといった心配がありません。
縛りや違約金もなし
povo2.0は最低契約年数(縛り)がありません。そのため解約金・違約金も不要で、さらに他社に乗り換えたい時にMNP転出料を支払う必要もありません。
また現時点(2022年6月)では契約時にかかる、契約事務手数料も無料で契約できます。
povo2.0の未成年WEBフィルターの機能
povo2.0では未成年者(18歳未満)の方が契約する時、「未成年WEBフィルター」が強制的に付いてきます。
これは、スマートフォンでインターネットを利用している時、未成年に不適切と見做されたサイトの利用を制限させる機能です。フィルタリングカテゴリは違法・不法情報、出会い、アダルト、暴力、飲酒・喫煙・セキュリティに問題があるサイトなどです。
SNSやゲーム、ショッピング、掲示板などは許可されています。
公式サイトより
また、「未成年WEBフィルター」は簡易的な機能で、Wi-Fi利用時、アプリ使用時には制限が効きません。
そのため本格的にフィルタリングを行いたい場合、また時間制限やアプリの制限を行いたい場合は「あんしんフィルター for au」を導入する必要があります。
あんしんフィルター for auの機能
あんしんフィルター for auには大きく分けて4つの機能があります。
①フィルタリング
未成年に好ましくないWebサイトやアプリを自動的にブロックする機能です。Wi-Fi経由でのアクセスもモバイルデータ(povo回線)でのアクセスも、どちらも効果があります。
フィルタリングレベルは4つで、「小学生」「中学生」「高校生」「高校生プラス」から設定することができます。
また制限されているサイトでも個別にアクセス許可にすることもできます。
②アプリの制限
Androidバージョンのみの機能で、Line、Facebook、Twitterなどのアプリの使用を制限します。また制限されているアプリでも、個別に利用を許可することもできます。
iOSの場合はアプリの制限ができないため、AppStoreで17+(17歳以上の利用が適切)のアプリが一律に制限されます。
③時間制限
曜日ごとに利用時間帯を決めることができます。
利用制限をできるアプリはインターネットブラウザ、アプリです。電話やSMSなどOS標準アプリは制限することができません。
④位置検索
基地局から推定される位置情報を元に子供のいる周辺エリアを50メートル~4キロメートル以内で特定します。また検索すると子供のスマホに検索されたことが通知されます。
ただしこれはGPS機能を使った位置特定サービスではないので、大まかなエリアしか表示されません。その場合は、別途Life360などのピンポイントで現在位置を表示できるアプリを入れるとよいでしょう。
povo2.0の申し込み方法
子供本人名義の場合
必要なものは以下の通りです。
- 子供自身の本人確認書類(マイナンバーカード)
- 保護者名義のクレジットカード
申し込みの大まかな手順は以下の通りです。
- 子供のマイナンバーカードを取得・用意する
- 保護者・子供のスマホを用意
- ※MNP予約番号を取得する(他社から転入する場合のみ)
- 親のスマホにpovo2.0アプリをインストール
- アプリ内でSIMカードを申し込む
- アプリ内で子供自身の本人確認を行う
- 本人確認後、発送手続きに入る
- SIMカードが届く
- ※(MNP時)保護者の都合の良い時間に回線切り替えボタンを押す
- ※(新規契約の場合)SIMの有効化ボタンを押す
- 有効化・切り替え完了後に子供のスマホにpovoのSIMを差し込む
- スマホのAPN設定を行う
- 子供のスマホにあんしんフィルター for auをインストール・設定する
- 親のスマホから遠隔操作できるようにする
注釈
1.マイナンバーカードの取得が終わっていない場合は、早めに取得を行いましょう。場合により申し込みから1ヶ月かかることもあります。
2.スマートフォンはpovoで使えるものを用意しましょう。動作確認済み端末リストに載っているものが安心です。またSIMロックの解除が必要です。SIMフリースマホの場合は、auの回線(電波)に対応しているかご自身で調べることが必要です。
3.MNP予約番号は他社から乗り換える場合のみに必要です。新規の方は飛ばしてください。
4.親のスマホにpovo2.0アプリを入れます。povoではこのアプリを使って申し込みや申し込み後のトッピング(データや通話のオプション)の購入などを行っていきます。
5、6.アプリ内でSIMカードの申し込み手続きを行います。規約を読み同意したり、マイナンバーカードの撮影、顔写真と顔の動作を動画で撮影したり、クレジットカードの番号を入力したり、配送先を設定したりします。
7.本人確認に成功したらSIMカードの発送手続きがなされます。SIMは宅急便で届きますが、荷物の到着日時を指定することはできません。
8.概ね申し込みから数日以内に発送されその後1~3日程度で配送先への配達が行われます。
9.MNP(番号そのまま乗り換え)の場合は、保護者の都合の良い時間にアプリ内の回線切り替えボタンを押します。
10.新規申し込みの場合は、SIMの有効化のボタンを押します。
11.SIMカードを子供のスマホに差し込みます。
12.スマホのAPN設定(データ通信が行えるようにするための設定)を行います。Android端末であれば「設定」→「モバイルネットワーク」→「モバイルデータ通信」→「アクセスポイント名(APN)」以下のように入力します。
名前 | povo2.0 |
---|---|
APN | povo.jp |
APNプロトコル | IPv4/IPv6 |
Wi-Fiをオフにして、実際にモバイルデータが使えるようになっているか確認します。
13.子供のスマホにあんしんフィルター for auをインストールし設定します。デフォルトではLine(ライン)なども制限されているので、使用許可したい場合は例外設定を行います。(Androidのみ)また使用時間帯の制限なども設定します。
14.保護者が子供のスマホを遠隔操作できるようにするための設定をします。先ほどのあんしんフィルターアプリから管理用ID、パスワードなどを設定します。
保護者名義の場合
必要なものは以下の通りです。
- 保護者の本人確認書類(マイナンバーカードか運転免許証)
- 保護者名義のクレジットカード
申し込みの大まかな手順は以下の通りです。
- 保護者のマイナンバーカード・運転免許証を用意する
- 保護者・子供のスマホを用意
- ※MNP予約番号を取得する(他社から転入する場合のみ)
- 親のスマホにpovo2.0アプリをインストール
- アプリ内でSIMカードを申し込む
- アプリ内で保護者の本人確認を行う
- 本人確認後、発送手続きに入る
- SIMカードが届く
- ※(MNP時)保護者の都合の良い時間に回線切り替えボタンを押す
- ※(新規契約の場合)SIMの有効化ボタンを押す
- 有効化・切り替え完了後に子供のスマホにpovoのSIMを差し込む
- スマホのAPN設定を行う
- 子供のスマホにあんしんフィルター for auをインストール・設定する
- 親のスマホから遠隔操作できるようにする
違い
ほとんどの手順は子供本人名義での申し込みと同じです。(1つ前の項目を参照ください。)相違点は、保護者の本人確認書類(マイナンバーカードまたは運転免許証)で本人確認を行い、顔写真や顔の動作の撮影を行う点です。
子供用のスマホの入手
povoでは端末のセット販売は行っていません。そこで自分で子供用のスマホ端末を入手する必要があります。
端末の入手には以下のような方法が考えられます。
- 親のスマホなどのお古を使う
- 家電量販店やネット通販でSIMフリーの端末を購入する
- メルカリ、ヤフオクなどフリマアプリで中古端末を購入する
利用可能端末かの確認
povoでスマホを使うにあたっては、若干の注意点があります。
SIMロックを解除する
povoはau回線なので、ドコモやソフトバンク、ワイモバイルのスマホ端末を使う場合はSIMロックの解除が必要です。
電波(対応バンド)をチェックする
auの使っている電波の種類に合っている対応バンドのスマホを用意する必要があります。SIMロックがないSIMフリー端末の場合も、この対応バンドが一致しないと使えませんので、購入時に確認が必要です。
ちなみにauの対応バンドは以下のようになっています。
4G回線(LTE) | |
---|---|
Band 1 (2.1GHz) | 主要バンドで必須 |
Band 3 (1.7~1.8GHz) | 必須ではない |
Band 11 (1.7GHz) | 必須ではない |
Band 18/26 (800MHz) | プラチナバンドで必須(26は18を内包) |
Band 28 (700MHz) | 必須ではない |
Band 42 (3.5GHz) | 必須ではない |
通話の対応 | |
au VoLTE | 音声通話のため必須 |
※赤は必須バンド(必須バンドに対応していれば問題無く使える)
古すぎる端末は使えない
povo(au)は3G回線(一世代前の通信規格)では通信方式が他社と異なり互換性がないことがありました。またauVoLTEに対応していないと電話ができません。そのためざっくり5年以上前の端末は使えないと考えたほうがよいでしょう。
公式サイトの動作確認済み端末でチェックする
スマホの相性をチェックするのは、一般の方では難易度が高いです。そのため公式サイトに載っている「動作確認済み端末」リストに載っているかどうかで判断すると簡単で確実です。
povoでの動作確認済み端末リストは以下のページにあります。
povoの契約上・使用上の注意点
180日使わない場合(課金なし)は強制解約
povo2.0は基本料金が0円のサービスですが、ずっと0円で使えるわけではありません。
公式サイトによると、開通から180日以上トッピング(課金)の購入がない、180日間の通話料金が660円以下などの場合は強制解約になります。
突然強制解約になるわけでは無く、事前に通知がありますのでその時トッピングを購入するようにしましょう。
成人したらフィルタリングを手動で外す必要あり
フィルタリングサービスは成人しても自動的に解除されることはありません。そのため手動で「あんしんフィルター」の解除、アプリの削除をする必要があります。
povoの子供の契約についてのまとめ
- povoは13歳以上で自分名義の契約ができる
- 小学生でも親が契約すれば使える
- povoは料金面、機能面などの点から子供にも最適
- フィルタリングサービス、時間制限など安全面にも配慮
- 契約にはマイナンバーカードか運転免許証、そしてクレジットカードが必須
- 子供ケータイではなく、色々なスマホを使える
povoは月990円で持たせられ、大手携帯電話会社(au)などよりかなり安く契約することができます。またデータ購入の制限、フィルタリングなども付けられるため子供にも最適なSIMです。
子供用の場合、緊急時など考えると、しっかり繋がり通信ができるSIMでないと心配です。povoはauがつながるエリアが繋がり、また格安SIM特有の混雑時の速度低下もみられません。
ぜひこの機会に子供用のSIM回線として、検討していただければと思います。